重ね合わせる手
「雪兎、彼女を連れて行って」
女の人の声が聞こえる。
誰だろ…彼女かな。
ああ、意識がなくなる。
もしかして、これは夢?
でも、いいっか。
雪兎見れたもんね。
大好きって言えば良かった。
…………………あれ。
此処はどこ。
暗いよ、真っ暗。
もしや、天国?
でもさっき雪兎見た。
んー夢だったか。
目が覚めたら、叔父からのお仕置きが待ってんのかあ。
死にたいなあ。
「ゆき」
ん?誰?
「ゆき、ゆき」
あー雪兎だ。
大好きな雪兎。
「ゆき、ゆき!ゆき!」
何よ、騒がしい。
そんなに呼ばなくても私は此処だって。