重ね合わせる手
少しぼーっとして、雪兎がお風呂あがるのを待つ。
先に入ったら?って言われて2つ返事で湯船に浸かってのんびりして。
お気に入りのシャンプーを使って帰ってきたんだなあなんて思う。
雪兎はどうして私を見つけたんだろ。
やっぱり百合さんの力かな。
確か、警視総監らしいからね。
ガチャン
この音は少し怖い。
叔父が入って来たような錯覚を起こす。
少し身体が震える。
雪兎はそれに気付いたようで、ゆっくりと私の座るベッドに来て、正面から抱き締めた。
「大丈夫。もう離さないから」
涙がポロリと溢れた。
それから止まることない涙が雪兎の胸元を濡らしていく。