重ね合わせる手


結婚間近な彼女に浮気されたこと。
信じてたのにあっさり裏切られたこと。
そっか、そんな苦しみがあったんだね。



「私、ごめんなさい…」



「いいんだ。あの人にゆきを手離さないとゆきの命はないって言われて、怖じ気づいて手離した俺が悪いんだからさ」


そうだったんだ…。
悪くないって言ったら、じゃあゆきも悪くないって言ってくれた。



「私も…頼りないけど、その彼女を忘れるくらい、信じてもらえるように頑張る!」



「ありがとう」




互いの苦しみを知った時、分かり合えた気がした。
まだ知らないことばっかりだけど、これからもっと知っていこうね。


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