重ね合わせる手


雪兎はクスクス笑って私をじっと見つめた。


「食べられたいの?」



「え、うん」


あああー頷いちゃったよ。
素直になりすぎたよ。
恥ずかしいよー。




「いいよって言いたい所だけど、今日は行きたい所があるんだ」


「な!!からかったの?」



「可愛いからさ。許してよ、ね?」


そーんなに優しく言われたら、ねえ?
ついつい甘くなっちゃうよ。



「許す」



「ありがと。今夜食べてあげるからね」



甘い声色で、私に囁くもんだから、不意にどきってした。
顔赤いだろうしさあ。



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