恋は盲目
そんな『彼女』生活が一年経った日。
状況が動いた。
記念日くらい―…と一緒にいたいと初めて言ったわがまま。
賢くんは疲れてるからちょっと寝ていたいし、夕方からならって約束をしてくれた。
やっぱり彼女だよね?
って浮かれてた私にあまりにひどい現実。
寝てるけど、起こさないように行ってお昼ご飯でも作ってあげよう……と早めに行った私。
賢くんは部屋の鍵は閉めないことが多いからきっと今日も開いてるはず……
と、内心ワクワクしながらドアノブをまわす。
開いた!よかった!
でも危ないよね……ってフフッて笑いながら一歩玄関に入った瞬間
女の人のだとわかるミュール。
え?もしかして―…
「ぁっ……賢……んっ……あっ…っ……」
女の人のやらしい声。
見なくても何をしてるかわかる。
「け…ん………好き…よ……」
「…ん…おれも…」
え………?
賢くんも好きなの?…その人が?
私は勝手に溢れる涙を止めることも出来ずに、無意識に二人が愛し合っているであろう場所に足を踏み入れた。
ガチャ……
ドアを開けると想像していた通りの二人の姿と
驚いてこっちをみる彼女。不機嫌そうな彼。
「お前……くんの早くね?」
なんでこんなとこ見られても冷静にそんなことがいえるんだろう。