恋は盲目
そしてふと自分が都合のいい女だと言うことを思い出し、
おそらくこれからこの目の前の大人の男性に抱かれるのだろうと考えると不安になった。
いくらかっこいい大人の男性で、社長でも……
私だって好きな人にだけ抱かれたいと思っている。
本当に誰でもいいわけじゃない。
でも………
賢くんと関係を切ることが出来たのは、紛れもなく坂口さんの存在のおかげ。
だとしたら、私はやっぱり彼に従うしかないんだ。
「じゃ、いこうか。」
彼の言葉で緊張が全身に走る。
無言で頷くと彼の後ろをついていく。
エレベーターに乗り、緊張がピークにきてただ俯いていた。
今更怖気づいた姿を知られるのも嫌だった。
が、ポーンと音を立ててついたのは一階フロアだった。
「え?」
てっきりホテルの部屋にいくんだと思い込んでた私は呆気にとられていた。
そのまま歩きだした彼の後ろ姿に慌ててついていくと
そのまま車に乗り込んだ。
ホテルからでて、安心した自分がいた。
このまま帰りたいな……
そう願ったが、やっぱり今から彼の部屋にいくのかもしれない。
そう考えるとまた緊張していくのがわかる。