恋は盲目


エンジン音が響く車内に彼の声が響く。




「家はどこ?」



「えっ?」



「送るよ」



“送るよ”と言われて嬉しかった。



良かった、私帰れる……



そう思ってはみたがすぐに都合のいい女のことを思い出す。



「あ、あの…」



「なんだ?」



「いい…んですか…?」



「何が?」



分かっているのか分かっていないのか彼の目は私を捕らえたまま離さない。



なんだか、その目にみつめられると私がこれから言うことがちっちゃいことのような気がして



私が彼から目を逸らしながら聞いた。




「このまま帰っていいんですか?」




「…帰りたくないのか?」



「いえ…帰りたい…です。でも…その………」



なんだか自分から誘っているみたいで恥ずかしくなる。




「あぁ……抱かれたかったのか?」



「えっ?」



そんなわけじゃない。



だけど………



「俺はお前に手は出さない。」



「え?」



どうして?

じゃあなんで今日呼び出したの?


「なんでだといいたそうな顔だな。」



「だって…都合のいい女になれって………」



「あぁ。俺はお前に都合のいい女になれといった。」



「なら…どうして……」



「都合のいい女になれとは言ったが、別にセフレになれとは言ってない。」



「え?」



「俺の都合のいい時に呼び出して会う。……それだけだ。」



「………は?」



本当に都合のいい時に会う=都合のいい女??



なにそれーーーー?!




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