恋は盲目
私の視界に入り込んだ、この部屋の持ち主である人を見て、私は言葉がでなかった。
……………。
「やっと起きたか。」
………………。
え〜と………
待ち合わせして……遅れてきた彼にイラついて……
つまり………
倒れちゃった……みたいですよね、私。
はぁ〜…最悪。
「お前なぁ……何黙ってんだよ。」
「え?…あの〜…」
「人に散々文句言っといて勝手に倒れて。お前まじ、都合のわりぃ奴だな。」
大げさに目の前でため息をつかれると、私もここにいるのが申し訳なくて小さくなってしまう。
「…すみません。」
「別に。」
本当素っ気ないんだから。
でももう関係ないんだ。
都合の良い女にもなれなかったんだから。
私ができることはもう決まってる。
「ご迷惑をおかけしました。今回も…今までも。でももう大丈夫です。結局私はあなたの都合の良い女にはなりきれませんでした。なので今日でもう終わりにします。短い間でしたがお世話になりました。さようなら。」
最後くらい私が言ってもいいよね。
別に私が離れた所で、あなたにはまだ沢山綺麗な人がいるから関係ないでしょ?
ショックでもなんでもないでしょ?
だから、最後くらい私に終わらせてよ。
これくらい大目にみてよ。
私は笑顔でお礼を言うと、荷物をもち玄関へむかった。