恋は盲目
STOP Down
「琴〜!今日、暇〜?」
美帆がニコニコと話し掛けてくる。
「なんで?」
なんとなく予想はできる。
「合コンいかない?」
やっぱりね。
「無理。」
「たまにはいいじゃん〜〜〜?ね?ね?」
もう、簡単に恋にも落ちたくないし、しばらく出会いなんていらない。
別に合コン行ったからって恋をするわけじゃないけれど
今の私は恋愛の起こりうる、あらゆることから逃げていた。
「も〜〜今日はイケメン揃いらしいのにい〜。琴も恋をしなきゃもったいないよ?…まだ……引きずってる?」
遠慮がちに最後に聞いたのはきっと賢くんのことだろう。
「そんなわけないじゃない。」
坂口さんのことを知らないからきっと私がまだ賢くんを好きなんじゃないかって思ってる。
「だったら…」
言い掛けた美帆の言葉を遮った。
「賢くんとはあんなだったし、意外と振り回されて疲れちゃったから、しばらくは恋愛する気分になれないだけ。ごめんね?」
賢くんの名前をだすことで少しは私を誘いにくくなることを分かってて、あえてこんなふうに言う私はずるい。
「そっか〜。わかった!じゃあ恋愛したくなったらいってね?一緒に出会いを探そう!」
そういってじゃあって帰って行った美帆をただぼーっと眺めていた。