恋は盲目
バタン。と乗せられたのは彼の車。
エンジンもかけず、ただ私の鼻をすする音だけが響いていた。
「お前…何がそんなに悲しいわけ?泣きすぎて不細工だぞ。」
「うるさい〜〜〜ぅぇ〜〜〜」
もう何が悲しいのか何で泣いてたのかわからなくなってきた〜〜〜〜。
「不細工。」
う゛?
ギュッ。
……………………。
?!?!
「え?」
って何で抱きしめられてんのーーー?!
さっきまでの大洪水が驚いた衝撃でピタリと止まった。
「「…………」」
沈黙。
何?何?何ーーーー?!
何なの?!この状況?!
初めて抱きしめられた。
こんな近くに坂口さんを感じたことなかった。
「なんか変。」
沈黙を破ったのは坂口さんだ。
「変?」
「ああ…お前といると俺が俺らしくない。」
「?」