愛へ

バイト

「バイトは禁止」


藤堂誠はそう言った。

あたしのバイトって言うのは、所謂援助交際のこと。

いちばん手軽に大金が入るから、あたしは援助交際をすることは悪いことだとは思わなかった。

あたしは、欲しいものがたくさんある。

けど飽きっぽいから、お金はいくらあったって足りない。

だから、援助交際をすれば、お金なんてすぐに入ってくるし、自分の快楽も得られて、一石二鳥だ。

オジサンは好きじゃないけれど、それでもお金をくれるんだから、あたしはそれなりの奉仕をする。

だから、オジサンたちはあたしにたくさんお金をくれる。

このバイトは、あたしにとってなくてはならないものだ。

チャラチャラしていると思われても仕方ない。

実際あたしはチャラチャラしているんだ。

あれも欲しい、これも欲しい、

そんなあたしは、援助交際なしに生きていくのは無理だった。

それなのに、藤堂誠はあたしに向かって、バイトを禁止してきやがった。

最悪だ。

あたしには、お金が必要なんだ。
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