愛へ
「オレな、チャラい女、嫌いなんだ」
「じゃああたしなんかお門違いじゃない?」
あたしがそういうと、けど、愛は顔が好みなんだよな、と呟いた。
「チャラ男のくせに」
「好きに言ってろ」
藤堂誠は、どうやら、あたしのことがほんとうに好きらしい。
あたしは、藤堂誠のことなんて知らないって言うのに、なんで、好きになんてなったんだろう。
どうせ、容姿がいいからだろう。
あたしは、自分で言うのもあれだけれども、モデルにスカウトされるくらい容姿は抜群だ。
「あたしにバイトを禁止させるんなら、それなりにあんたがあたしの欲しいものを買ってくれるわけ?」
「まさか。他のコンビニでもバイトすれば?オレは、お前のパトロンになるなんて言ってねえよ。オレはただ単に、お前と付き合いたいだけ。ただ、お前が浮気したら、別れる。援助交際も然り」
藤堂誠の言葉に、あたしは愕然とした。
こいつは、一体、何を言っているんだろうか。
あたしと付き合えるだけでも光栄だっていうのに、あたしに貢ぐ気すらないなんて、どうかしている。
これはやっぱり、あたしはこっそり援助交際を続けよう、
こいつだってどうせ、あたしの体が目当てなんだから、どうだっていいじゃないか。
あたしは、愛とは程遠い人間。
自分を美しくさせるためなら、どんなことだってできる。
それが、傍目には汚く映っていようとも。