愛へ
ここは、エリートばかりが集まった学校だから、あたしみたいな人間は、正直言って浮く。

だから、嫌だったんだ。

あたしは、もっとレベルの低い、あたしみたいな、愛なんてものを信じないような女子たちが群がる高校に進みたかった。

けれど、学校の先生や親からの涙ながらの懇願に、仕方なくこのエリート高校への進学を決めた。

本当は、こんなところは来たくなかったのに。

あたしは、見た目とは裏腹に、頭が良かったりする。

だから、そのギャップにも女子は嫉妬し、友達なんて出来たことはなかった。

友達なんていらなかった。

だって、どうせ、裏切られるんだから。

誰も信じないし、信じようとも思わない。

それが、あたしの信条だった。

男なんて、とくに信じられない。

結局、セックスさえできれば、女なんて誰でもいいんだ。

ついでに、顔とスタイルが良ければ尚更良し。

あたしは所詮、男にとっては都合のいい女でしかない。

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