心霊スポット取材班
「うゎわぁ…!!」
鞄の中から手が出てきて、満の腕を掴まれた。
《お前も…私を殺しに来たのか…》
鞄の中から声が聞こえて来た。
「離せ…離…」
満の腕は余りの力に赤く変色して、声が出せなくなった。
《殺される前に…お前を殺す…》
満の腕を掴んでいる手に力が入った。
「ぁ…ぅ…」
満はこのままでは殺されると思い、近くにあった電気スタンドを足で蹴飛ばした。
《ガシャ!!!…》
電気スタンドは凄い勢いでドアにぶつかった。
満の意識が朦朧としてきた時、隣の部屋で寝ている、母が音に気付いた。
「満~?どうしたの?」
満の意識はだんだん薄れていく。
「開けるわよ?」
その時、満を掴んでいた手が鞄の中へと吸い込まれるように、引っ込んだ。
満は助かったと思い、気を失いその場に倒れた。
「満!!!!」
満の母、啓子は倒れている満に声を掛けたが目を覚ます事がなく、腕だけが赤々と腫れ上がっていた。