心霊スポット取材班

「あの、武蔵野小学校の事で聞いてもいいですか?」


美奈はこんな時でも研修での課題が頭から離れていない事が凄いと、武とあきは心の中で思っていた。


「何かな?」

おばあさんは笑顔で話してくれた。


「あの‥3階のロッカールームで夜になると音が聞こえてくるって話し聞いた事ありますか?」



「知ってるよ‥」

おばあさんは小声で口ずさんだ。


「よかったら詳しく教えてもらってもいいですか?」


少し間があいてから、

「…あれは、三年ぐらい前だったかなぁ…」


おばあさんは思い出しながら話し出した。


「学校が終わってから、毎日ここのお店に来てくれた女の子が、ある時から全く来なくなってしまってな…」


「ある時ってなんですか?」

あきが聞いた。


「学校の3階が火事になったんじゃ…」

おばあさんは目に涙を浮かべていた。


「そして、噂になったんじゃ‥その女の子が焼け死んだと‥しかし、死体もなく、焼けた物は壁だけだったんじゃ‥」


「……」

3人は少し恐くなりだしていた。


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