HAPPY!!
2日目の夜、私と木内は二人でセミナールームにいた。

「先生来ないね。」


私はたたみの上に座って先生を待つ。


「それ、おそろい・・・・・・。」

「えっ!?あ、ホントだ!!さいあく~。」


なんと、来ていた服が全くおそろいだったのだ。

ズボンまでまるかぶりするなんて。

いくら私がボーイッシュな恰好を好むからって、これは酷い。


「最悪ってこたねーだろ。」


こんなペアルックみたいな恰好、絶対嫌だ。


「えー、ショック。かぶった。」


あたしが上着のジャージを羽織ると、


「いいじゃん、おそろで。」


と言われたので、


「いくない。あたし、着替えてくる。」

「はあ!?」

「みんなに何か言われるの、嫌だもん。」


ただでさえ、あたしと木内は委員会が一緒で何かと噂される仲だっていうのに。


「そんだけかよ。」

「当たり前でしょ、別に、何も言われなかったら、おそろいだろうが着るよ。木内とおそろいなら、許せる。」

「え?」


つい口をついてでた言葉に、あたしのほうがどきりとする。


「他の男なら、着替えるね。」

「どういう基準で?」

「ただ単にあたしの好き嫌い。」


あたしがそう言うと、木内が真剣な瞳で、


「てことは俺の事好き?」

「うん。普通に。」

「なんだ、普通か・・・・。」


なんで落胆しているのだろうと訝りながら、あたしは首をかしげた。
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