HAPPY!!
「さてと、カーテン置いてきますかね」


木内が言って、カーテンを持っていこうとしたので、手持ち無沙汰な私は、


「2つあるから、2人でいこうよ」


と提案した。


「そうだな」


というわけで、二人して階段に突入。


「オレ、頭の上にカーテン乗せられるんだぜ」

「すごーい」


棒読みでそう言ったというのに、木内はまんざらでもなさそうだ。


「もちろん、階段も下りられる」


そんな風に威張るから、


「じゃあさ、事務室に着くまでカーテン落とさないで歩いて」


とSっ気を出して言うと、


「いいぜ。そんなの楽勝」

「できたら、褒めてあげるよ」

「オッケー」


木内は慎重に降りているけれど、すぐに落ちた。


「げ!!落ちた!」

「残念だねー」

「くそ、気抜いてた。もう一回やり直してくる」


と木内は階段を上ろうとしたので、


「え!?いいよ、ここからで」

「ほんとに?褒めてくれる?」

「うん。褒めてあげる」


そこまで褒めて欲しいのか、褒めて伸びるタイプなのか。


「よっしゃー」

「何やってんの?」


ふたりしてふざけていると、樹がやってきて、言った。


「え、美化委員の仕事」

「遊んでるようにしか見えないんだけど」


おっしゃるとおりで。


「まあ、チョットは遊んでるな」


しずむあたしをよそに、木内はあっさり認める。


「落とすなよ。じゃね、樹。うちらゲームの途中だから」

「ああ。何かよく分からないけど、頑張れよ」

「まかせろ」



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