HAPPY!!
「やっべぇ、暗唱のテスト、5:00までだったよな?!」


木内が焦ったように聞いてくる。

国語の暗唱テストがあるのだ。


「そうだよ、受けてないの?」

「そう!やばい!」


慌てて教科書を取り出す木内。

あたしはとっくのとうに終わっている。

だって成績優秀だもん。


「うちもやってなーい!ともっちょ、練習するから聞いて!」

「いいよ~。」


夏帆ちゃんがそう言い、困った木内は、


「樹、聞いてくれ!」


と泣きつく始末。


「嫌だよ、おれ5:00提出の国語のノート写してないんだもん。」

「どーしよう・・・!」


慌てる木内に、


「あたしが聞いてあげるよ。教科書貸して。」

「サンキュ、助かる!」


困ったときはお互い様。

それに、ともっちょがいないと作業なんかできないもんね。


「どうぞ~」

「つれづれなるままに・・・・・・。」

「うん。」

「書き散らした小梅日記、お聞きくだされ~♪」

「えぇ!?」


木内はなぜか小梅太夫のネタをやり始めた。

それ、古いから。


「ちゃんちゃかちゃんちゃん♪」

「ごめん、それ古すぎ」


呆れて言うと、


「分かるんだ!」


と嬉しそうに言うもんだから調子に乗って、


「まあね!って、やろうよ」


「何をヤるんだ~?」


となぜかにやける樹。


「樹エロい!!」

「何想像してんの?」


木内が叫び、樹が更ににやける。


「樹うぜ~!!」

「違うよ、そんな文章ない!」

「おまえ、ボケすぎ」


もうボケすぎって言われるのはあたしにとって褒め言葉なのだ。


「あは☆」

「木内と水野って、いいコンビだよな~」

「どこが!!」

「そういう所が」

「あ・・・・・」


思わずはもってしまったけれど、あたしは決して木内なんかと、いいコンビだなんて言われたくないんだから!
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