HAPPY!!
告白
「だから、あたしは、木内の事が好きなの!」
朝、日直で早めに登校すると、木内と牧野さんがなにやら話していた。
「あ、せいらちゃん」
あたしに気付いた牧野さんが気まずそうに言う。
「牧野さん、日直でもないのに早いね」
「あ、うん」
「木内、下行くぞ!」
あたしはそう言ってさっさと下へ降りた。
牧野さんとは気まずすぎて顔を合わせられない。
「邪魔しちゃったね、私」
「いいよ、オレ、牧野の事好きじゃないし」
あたしが言うと、木内はそう答える。
牧野さんは学年で一番の美人だ。
告白されたのにそんなことを言うなんておこがましい。
「は?好きじゃないの?」
「ああ」
「だって、1年の時好きだって」
「アレはデマだよ」
「あ、先生」
そう言って駆け出すと、
「お前、オレの話、聞く気あるの?」
「別に」
「どういう意味だよ」
「聞いたら、多分落ち込むから、いい」
そう言って、あたしは教室へ急ぐ。
「は?」
「集配ボックス頼むね、じゃ」
「お、おい!ちょっと待てよ!!」
木内のバカ。
何のために、チョコなんてあげたと思ってるんだ。
どうせ、あたしの気持ちなんて、気にしてもいないくせに、話聞く気あるの?とか聞かな
いでよ!
そこまであたしの落ち込む顔が見たいわけ?ふざけんじゃないわよ!