HAPPY!!
屋上で。


「正直オレは、牧野の事好きじゃないんだ」


と、木内が零す。


「なんで?かわいいじゃん」


牧野さんは学年で一番の美人なのに。


「いくら顔がかわいくても、オレの好みの顔じゃない」

「ワッガママー!」


なんだそれ、結局男ってやつはみんな顔なのか。


「うるせ。オレが好きなヤツは、かわいいって言われるタイプではない。」

「は?」


顔じゃないの?


「オレの好きなヤツは、クールで、意地っ張りで、それでいて本当は困ってる人を見るとほっとけない、いいヤツなんだ。」


誰、それ。


「そんな子いた?」

「いるよ。オレの目の前に」

「え!?」

「お前が好きだ。正直、始めは好きじゃなかった。だけど、何があっても一生懸命努力して、前進しようとするお前の姿を見ててさ、好きになっちまったんだよ。それから、お前、友達のこと庇い過ぎだしよ、いっつもイジメられてんじゃん?守ってやりたくなってな。苛められてるももこの事、1人で一生懸命守って闘ってたお前を見て、お前のそばで支えてやりたいって。本気で、思うようになったんだ。初めて、そんな気持ちになったんだよ。」

「・・・・・・・・・」


なに、それ、そんな冗談、信じられない。


「オレと付き合えよ」

「うん」


それなのに、あたしの口からは、素直にそれを受け入れる言葉が出たのだった。
< 45 / 52 >

この作品をシェア

pagetop