HAPPY!!
どうしよう、せっかく両思いになれたのに。

別れなくちゃいけないなんて・・・・。

一週間後。

あたしたちは、一週間ずっと口をきいていない。


「おはよ~。」

「オス、水野、暇か?」

「どう見ても暇です」


なぜかよそよそしい態度しか取れない。


「なら、ちょっと付き合え」

「は?」


木内に手を引かれて、ベランダに出る。


「新しいオレの家、見えるんだぜ」

「どこに?」

「あそこ」


木内が指差す方向を見れば、新築らしききれいな水色の家が見えた。


「あのキレイな水色の家?」

「そうそう」

「近いのに、学区域違うんでしょ?」


おそるおそるきくと、


「ああ、でも、オレはここに通うぜ」

「えっ?」


聞き間違いかと思った。


「オレは、中央中には行かないよ。ここで入学して、ここを卒業する。」

「本当に?! 」

「当たり前だろ。お前を置いて他の学校に行けるかよ」

「良かった・・・」


へなへなと力が抜けて座り込む。


「ほんと、早とちりだな、お前」


なんだ、あたしの早とちりか!

よかった、木内とまだ一緒にいられるんだね。
< 47 / 52 >

この作品をシェア

pagetop