HAPPY!!

あたしが一人で黙々とワックスを塗っていると、木内がベランダへ続く窓を閉めながら、

「それで、この校舎がおれんちのダンスホールと同じくらい。」


と相も変わらずモップを放棄したままそう言った。


「ダンスホールなんてあるの?!誰と踊るんだよ・・・・。」


あまりのスケールのでかさにツッコミ兼ねていると、


「体育館がリビングとキッチンの合計。滅多にそこで食べないけど。」


と楽しそうに笑みを零した。


「何で?」

「毎日パーティーだから。ちなみに仮面つけるの。」


うわあ、仮面パーティーって、なんか不潔なイメージ。


「引くわ~・・・・。」

「今度来ない?」

「遠慮します。」


せっかくのお誘いだけど、あたしは踊れないから遠慮しておく。

木内が残念、と呟いたのがそっけなく答えたのを少し後悔させた。

まあでも、それは冗談にすぎないから、あんまり深く考えないに越したことはない。
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