HAPPY!!
「さてと、お掃除しますかね」


リハーサルも終わり、掃除に再び取り掛かる。


「しますかね」

「面倒くさいけどやりますかね」


あたしがそう言うと、


「水野、ヤるって言葉は使わないほうがいいぞ」


となぜだか注意された。


「何で?殺すほうのことって思われるから?」


たしかにあたしは恐れられているけれど。


「それはまだいいほう」

「え!!もっとヤバイ意味になるの?!」


あたしがそう言うと、何でか呆れられた。


「ああ。特に、異性の前では」

「うそ~。気をつけようっと。でも、どうしてだめなの?」

「それはね、興奮しちゃうから」


興奮?

なにゆえ?


「興奮?」

「そう、興奮」

「なんで?」

「エロい事考えるからだろ」

「例えば?やるで想像する事なんてあるの?まぁ私の場合、何聞いても想像付かないけど」


うーん、むつかしい。


「ヤるっていうのは、エロい事をという主語が抜けているのさ」

「ほほう」

「エロい事というのも、種類があって、その場合は、お前の知らないアルファベット3文字の言葉で形成されている行動の事だ」

「ねぇ、木内、教えてくれるのはありがたいんだけどさ、口だけじゃなくて、手も動かしてよ。掃除私しかしてないよ?」


気がつけばあたしだけが掃除をしている始末。

まったく、さぼってるんじゃないわよ!


「あ、ごめん」

「アルファベット3文字かぁ・・・・・・。なんだろ?ワット?ボルト?さくら?」

「最後の日本語だろ」


だってわかんないんだもの!


「そうでした」

「最初の文字がS、最後の文字がX」

「S〇Ⅹ・・・・・。そんなのある?」

「ありあり」


なんなんだそれは。
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