キミが教えてくれたこと
1年前

 ちょうど1年前のこの時期。私が6年生の頃、一目ぼれだった。
 背が高く、モテそうな感じの人だった。

 「あっ・・・。あのっ、メアド教えてもらってもいいですか?」

 「君・・・名前は?」

 「えっと・・・もっ萌菜です!」
  緊張してうまくしゃべれなかったことを今でも覚えてる。
  
 「萌菜かぁ。かわいい名前だね。俺は、優って名前。
  呼び捨てでいいよ!よろしくね」

 「よっ、よろしくおねがいしますっ。」

  -それから優とはメールを毎日するようになって、
   校内でも、話すようになってだんだん仲良くなっていった。-

   去年の夏に優から告白されてみごと付き合うことになった。

   毎日が、とても楽しかった。幸せだった。
 
   でも・・・。そう思ってたのは、私だけだったんだよね?

  「俺と別れて」
   何を言ってるのか理解できなかった

  「えっ?どうして。意味わかんないよ・・・」

  「新しい彼女できたから。」
  
  「どうして?私、楽しかった・・・幸せだったよ?」

  「俺は・・・俺は、楽しくも幸せでもなかったよ・・・」
   私は、なんて言えばいいのかわからなかった。

  「・・・。」

  「じゃあ、俺行くね。」

   優の後姿をずっとみてた。でも、涙がでてきてぼやけて見えた。
   信じてた分裏切られてつらかった。1日中泣いてた。
   今まで、優のために生きてるって思ってたのに・・・。
   だれのために生きているのかわからなくなった。
  
   恋ってこんなにも、簡単に崩れるもので、傷つくものなんだって思った。
   だったら、私はもう恋なんかしないって誓った。

   裏切られるのも、傷つくのももう嫌だから。
   怖いから。
   
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