キミが教えてくれたこと
出会い
-ガヤガヤ-
教室に近づくにつれて、たくさんの話し声が聞こえてくる。
-ガラガラ-
教室のドアをあけると、いろんなグループがもうできていた。
「おはよう。萌菜ちゃんだよね?」
この人だれだっけ・・・?って思いながらも返事をする。
「うん。そうだよ・・・!」
「優の元カノだよね?」
優の名前がでるたび心がいたむ。
「そうだよ。・・・うん。」
「私は、優の今カノです!まぁ、優を深く知ってる同士
仲良くしようね!萌菜ちゃん!!」
「うん。あっ、私トイレ行ってくるね」
早くこの場から離れたかった。廊下を1人で歩いてた時、
誰かに後ろから呼び止められた。
「萌菜ちゃん!!」
立ち止まって後ろを振り返ると佑大が居た。
「・・・佑大。どうしたの?」
「萌菜・・・。優と同じクラスだな・・・。俺も一緒だけど・・・。」
また優の名前・・・。もう聞きたくないよ。
その瞬間走ってた。とりあえず誰も居ないところに行きたかった。
-気がついたら屋上にきていた。-
「なんで・・・。もう、みんな優の名前ばっかりだすの・・・。」
我慢してたぶん涙が溢れ出してきた。
「こんなんじゃ・・・入学式・・・行けないよ・・・。」
-ガチャッ-
ドアが開く音がした。後ろを振り返ると1人の男の人が
立っていた。ちょっと怖そうな人だった。
慌ててでようとした時。
「待てよ」
呼び止められた。
「は・・・い。何ですか?」
「何かしたのか?」
「なんでもないですよ・・・。てか、誰ですか?」
「俺は、青葉海斗。2年の野球部。お前は?」
「私は、1年の月田萌菜です。」
「ふーん。萌菜。」
「じゃあ、私行きますね。」
「待てって。話し終わってねーじゃんか。」
なんでつらい話しなんかしなきゃいけないの・・・。