爆裂・宇宙回転寿司店【2012・改】
「そうさな。先ずは卵を握ってもらおか。こいつぁ値段は安いかも知れねえが店の仕事が一番分かる代物だ。」


「はい、卵で御座いますね。」


若い職人は奥の食材ケースから卵焼きを取り出すと器用に寿司を握り始めた。


うーん、良い手捌きだ。最近の回転寿司ってのは侮れねえと思ったぜ。


「へい、卵です。お待ちどう様」


俺の目の前には目にも鮮やかな黄色と、良く見なきゃ分からない位の微妙な焦げ目の付いた卵握りが2勘置かれた。


俺は少しの間、その仕上がりに見とれてから、そいつを口の中に放り込んだ。


そうしたら、驚いたの何の…卵の濃厚な味と出汁、砂糖の組み合わせが絶妙で、しかもシャリが口の中でほろりと崩れる様に消えていった。


「おい、若ぇの、こいつぁ凄ぇじゃねえか。良い仕事だぜ。」
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