爆裂・宇宙回転寿司店【2012・改】
間違いかも知れないが俺はそう確信した。


「次はどう致しますか?」


うん、職人の応対も大したもんだ。


此れだけの腕を持ってしかも腕が上等となれば、そこに胡坐をかいて天狗になっても可笑しくない年なのに、この謙虚さはいったい何なんだろうかと思わせる態度だ。


「じゃあ、次は光物を貰おうか。」


「はい、承りました。今旬のシ・モ・ノセキの光蒼鯖が御座いますが。」


「おお、良いねえ握ってもらおうか。」


「はい、承りました。」


これも上物、しかも職人の話によれば、流通マージンが掛からないルートで仕入れて居るから格安の回転寿司で出せるんだそうだ。


「若いの旨いぞ本当だ。俺は世辞を言える人間じゃあないからな。本当に旨いぞ」


「はい、有難う御座います。そう言って頂けると私も職人冥利に尽きるという物で御座います。」
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