爆裂・宇宙回転寿司店【2012・改】
そうかそうか。

そうだろう。

よし次は少し難題を吹っ掛けてみようか。

若い職人に意地悪と言うか試練というか、そういうのを吹っ掛けてみたくなって
俺は、しれっとした顔で、こう言った。


「次は旨い赤身の魚が食いたいな。」


いや、我ながら言ってから少し意地が悪すぎたかなと一寸心に引っ掛る物を感じたがそれがどうでぇ若い職人は怯む事は無かったぜ。


「これも特別仕入れの物で、オ・オオ・マの本マグロが入っておりますが。如何ですか?」


「マグロ?良いね。是非貰おうか。中トロは有るかい?」


俺は昔、マグロという魚が居る事は知識では知っていたが食った事は無い。どっかのなんとかって言う星で昔採れてたんだが、その星が無くなっちまって、今は流通してねぇ筈だ。

な~に、この程度はトラッカーの常識さ。

しかし、この若い職人に莫迦にされたくなくて無理難題を口にした。

「はい、マグロの中トロで御座いますね。承りました。ちなみにギ・ンザで食べると物凄い値段ですが私共の店では信じられない位リーズナブルで御座います」
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