華恋堂
はじめての恋人
「恋をしなはれ。恋は人生の華」
で始まるブログに出逢ったのは偶然だった。2006・8・2AM0:10。あの日のあの時刻にアクセスしなければ、出逢うことのなかったブログ・・・

#1 はじめての恋人

 「恋をしなはれ。恋は人生の華」

 はじめての恋人、そりゃあ忘れられん男(ひと)どすなぁ。うちのはじめての恋人は、二つ年上のお方どした。あれは、うちが高校生三年生のときでしたわ。試験勉強をしに、図書館に行ったときに出逢うたんどす。友達と世界史の問題を出し合うとると、となりのソファで、なにやら楽しそうに話している男子グループがおりました。そのうち、その中の一人が声をかけてきたんどす。うちらの制服を見て 
「きみたち、精華学園?」
「はい」
て友達が答えると、
「ちょっと聞きたいことがあるんだけど」
言うて、うちらのソファのところに来やはって・・・今思うたら、ナンパみたいなもんやろうけど、そのときは、そんな感じせんで、楽しく話したんどす。たまたま隣りに座ったのが彼。何を話したか覚えてないけど、かすかにあたった足の感覚だけは、今でもよう覚えとるんどす。
 そのあと、友達と二人で塾の試験を受けに行くので、そこで別れたんどす。そのときは彼のことが気になっとったから、なんや後ろ髪ひかれるような気持ちどした。そやから、塾で彼にバッタリ出逢うた時は、そりゃあびっくりしました。自分でも自分の心臓の音が聞こえるほどドキドキして、声も出まへんどした。彼が
「この塾に通ってるの?」
て聞いてくれて
「ええ。夏の間だけですけど」
と答えるのが精一杯どした。
「ぼくは、予備校の方に通ってるんだ」
と言うてくれたんが、ものすごう嬉しゅうおしたなぁ。これで、また彼に逢えると思うてね。
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