「いいわけ」
会話もなく、ただ食べるだけの食事に時間はかからない。あたしたちは一時間で店を出た。






車は真っすぐあたしのアパートに向かい、




「じゃ」




奢ってもらったのに、お礼の一言も言わないあたしは最低なのかもしれない。でも、いつまでも残る苛立ちにお礼を言う気にはなれなかった。




「あぁ」





ドアを閉めるとすぐ動き出すセルシオ。




でも今日は見つめる事もせず、あたしは部屋に向かって歩きだした。
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