恐怖話
夜は勇気試しがありました。
(一般的に言う肝試しです)
其処で始める前に教頭はこんな話をしてくれました。
『昔、この辺りは小さな村でした。この村の名前は首なし村。
住人の首が無いわけではなくて、この村に居るお地蔵様の首が無いそうだ。
それで村では奇妙な噂が流れていた。
夜中に外に出るとお地蔵様に首を取られるそうだと・・・
ある日の夜、一人の旅人が宿を探してると村にやって来た。
泊まるところは決まり一息吐いていると宿の亭主が例の噂を旅人に話し、
夜は出歩かないよう忠告した。
しかしその夜、旅人は村を発とう噂を気にしながらも宿を出た。
日はまだ昇らぬ時間たいだった。
何も起らないまま村の出口までたどり着いたとき…
リン・・・リン・・・リン
鈴の音が聞えた。ふと旅人は立ち止まり後ろを振り返った。
すると其処には…
首から上が無いお地蔵様が立っていた。
そして旅人にこう言った。
「お・・・前の・・・首を・・・くれ・・・」
夜が明け宿の亭主は旅人が居ない事に気付き、
慌てて外に出た。既に村の出入り口付近には人だかりが出来ていた。
人を割って入ると、其処には首から上のない旅人の胴体が転がっていた。
嫌な予感がして例のお地蔵様の所まで行くと…
其処には首が無い筈のお地蔵様が旅人の首を乗せて立っていたそうだ』

と…
そうして勇気試しは始まりました。
男女一組ずつで行われました。
僕は実はこういうのが苦手なモンですから、
直ぐに相手において行かれて後から来た子達と行動してました。
先生達の脅かしにビビリつつ歩いていると・・・
昼間は決して其処に居なかった首のないお地蔵さんが道の脇に立っていた...






しかしお地蔵様は僕だけが見えていた見たいなんです(笑)
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