恋時雨~恋、ときどき、涙~
2章:秋時雨

むかしの恋人

海で夕立に打たれた翌日から3日間、わたしは高熱にうなされた。


風邪を引いてしまったのだ。


健ちゃんからメールが届いたのも、3日後のことだった。


健ちゃんもまた、風邪を引いてしまったらしかった。


何だか、無性に笑えた。


順也は身体の痛みが取れ始めたらしく、リハビリを始めることになった。


このリハビリで、順也の今後が決まる。


以前のようにはいかないが、また歩けるようになるか、もう歩けなくなるのか。


わたしと静奈は、毎日、順也のリハビリに付き添い、見守った。


そして、夏休みも終わりに近付き、明後日から短大の後期が始まるという日の夕方、わたしのスマホにメッセージが届いた。


それは、思いがけない人からのものだった。


土曜日の、小雨が降る夕暮れ時だった。


いつものように順也のリハビリに付き添い、静奈と帰っている時だった。


そのラインメッセージは、亘さんからだった。





< 149 / 1,091 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop