恋時雨~恋、ときどき、涙~
天真爛漫な幸はとは真逆で、菜摘は物静かで独特の雰囲気を持っている女の子だった。
でも、面倒がらずに、わたしと一緒に居てくれる。
どこか掴みにくい性格の菜摘だったけれど、一緒に居るだけでとても安らいだ。
菜摘は、順也が持っている優しい空気と同じ雰囲気を持っていた。
幸は、毎日、遅刻をする。
でも、その理由を知っているから、わたしも菜摘も何も言わない。
何かしてあげられる事と言っても、何も無かったけれど、陰ながら応援していた。
午前9時30分。
今日も、幸は遅刻だ。
わたしと菜摘は、いちばん後ろの席に並んで座っていた。
もうじき先生が来る頃、菜摘がわたしの肩を叩いてきた。
「あのさ……長澤さんだっけ」
長澤。
静奈の名字だ。
わたしが神妙な面持ちで見つめると、菜摘は回りを気にかけながら言った。
「最近、来てないけど。学校、辞めたの?」
わたしは首を振った。
【ちがう
たぶん
そのうち来るよ】
わたしのルーズリーフを見て、菜摘が首を傾げた。
「たぶん?」
でも、面倒がらずに、わたしと一緒に居てくれる。
どこか掴みにくい性格の菜摘だったけれど、一緒に居るだけでとても安らいだ。
菜摘は、順也が持っている優しい空気と同じ雰囲気を持っていた。
幸は、毎日、遅刻をする。
でも、その理由を知っているから、わたしも菜摘も何も言わない。
何かしてあげられる事と言っても、何も無かったけれど、陰ながら応援していた。
午前9時30分。
今日も、幸は遅刻だ。
わたしと菜摘は、いちばん後ろの席に並んで座っていた。
もうじき先生が来る頃、菜摘がわたしの肩を叩いてきた。
「あのさ……長澤さんだっけ」
長澤。
静奈の名字だ。
わたしが神妙な面持ちで見つめると、菜摘は回りを気にかけながら言った。
「最近、来てないけど。学校、辞めたの?」
わたしは首を振った。
【ちがう
たぶん
そのうち来るよ】
わたしのルーズリーフを見て、菜摘が首を傾げた。
「たぶん?」