恋時雨~恋、ときどき、涙~
最終章:恋時雨
春雨
ふきのとう。
つくし。
おひさまの匂い。
春。
4月。
やわらかな風が吹き抜ける、パステルカラー色の空。
青空に燦然と輝く太陽の陽射しが、リビングに射し込んでくる。
短大生最後の春休みも終わり、今日から新学期を迎える。
耳が聴こえないながらも、静奈や幸や中島くんに協力してもらいながら、わたしはなんとか単位をとり進級できた。
短大生活も、残りあと1年。
そのことをお母さんにメールすると、おめでとう、と返信があった。
あれから、お父さんは東京の本社の仕事にも慣れ、この春から課長なのだそうだ。
お母さんの容態も安定していて、東京のせわしない毎日を元気に過ごしているみたいだ。
お父さんとお母さんがこの街に帰って来るのも、あと2年と少しになった。
その日が待ち遠しい。
その日を笑顔で迎えるためにはまず、わたしは短大をきちんと卒業し、就職していなければならない。
そうじゃないと、お父さんとお母さんと離れて暮らしている意味がなくなってしまう。
卒業式には、東京からお父さんもお母さんも来てくれることになっている。
つくし。
おひさまの匂い。
春。
4月。
やわらかな風が吹き抜ける、パステルカラー色の空。
青空に燦然と輝く太陽の陽射しが、リビングに射し込んでくる。
短大生最後の春休みも終わり、今日から新学期を迎える。
耳が聴こえないながらも、静奈や幸や中島くんに協力してもらいながら、わたしはなんとか単位をとり進級できた。
短大生活も、残りあと1年。
そのことをお母さんにメールすると、おめでとう、と返信があった。
あれから、お父さんは東京の本社の仕事にも慣れ、この春から課長なのだそうだ。
お母さんの容態も安定していて、東京のせわしない毎日を元気に過ごしているみたいだ。
お父さんとお母さんがこの街に帰って来るのも、あと2年と少しになった。
その日が待ち遠しい。
その日を笑顔で迎えるためにはまず、わたしは短大をきちんと卒業し、就職していなければならない。
そうじゃないと、お父さんとお母さんと離れて暮らしている意味がなくなってしまう。
卒業式には、東京からお父さんもお母さんも来てくれることになっている。