恋時雨~恋、ときどき、涙~
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3人でずるい!
今度はわたしも誘って。
じゃあ、8時半に中央口で。
返信して、洗い物を片して、リビングの掃除に取り掛かる。
カーテンを開いて勢いよく窓を開け放つ。
掃除機をかける。
春の優しい風がリビングを吹き抜けて、空気を浄化させていった。
掃除機を止めてベランダに出ると、向こうに小さく見える海が燦然と輝いていた。
水色の空に、濃い、春の雲。
4月。
新しい新鮮な気持ちになるのは、どうしてだろう。
掃除を終えて8時になり、わたしはアパートを出た。
らせん階段を一気に下って下に着くと、ちょうど郵便配達員さんが、各部屋のポストに郵便物を投入しているところだった。
ぴしっと制服を着こなして、部屋を間違えないように何度も確認しながら、仕分けている。
見た感じからして、20代後半といったところだろうか。
少し垂れがちで、いかにも優しそうな目元が印象的だ。
制服の胸ポケットのネームプレートに【斎藤】と書いてある。
この地区の担当なのだろう。