恋時雨~恋、ときどき、涙~

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めっちゃええ天気やで!
昼は中庭で飯食おうや








幸?


隣に座っているのに。


隣に座る幸を見ると、幸は何事もなかったように黒板を見つめていた。


肩を叩いてくれればいいのに。


わざわざメールしなくても、手話でも分かるのに。


視線を感じて、わたしは顔を上げた。


数メートル前の席に座る男子グループの中の中島くんと目が合った。


「真央にも?」


と中島くんは口をぱくぱくさせながらスマホをわたしに見せてきた。


どうやら、中島くんにも同じラインが届いたらしい。


隣で静奈が肩を叩いてきた。


どうやら、静奈にもらしい。


幸が、こうして近くに居るのにも関わらずラインをしてくる時は、語り合いたい、というアイズだ。


昼休みになり、わたしたちは中庭のベンチに集合した。


小さな輪になってお弁当を広げるなり、いちばん最初に幸が切り出した。


「みんなは決めとる?」


何が? 、と静奈が卵焼きを口に半分放り込んだ。



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