月影の剣
その言葉にすら、キスイは笑みを漏らす。

「そうかい、僕は可愛くないか」

はははっ。

爽やかな笑みに、ルシは一瞬毒気を抜かれたような顔をする。

それから、苦虫を潰したような、渋い顔。

「やっぱりお前、可愛くない」

「ま、可愛く無くても、僕は格好いいから構わないけどね」

サラリと爽やかな笑顔を浮かべたままで言う、キスイ。

(え、えーと)

あまりにも自信たっぷり過ぎて、自身は返す言葉が見つからなかった。

ルシは冷ややかな視線をキスイに送っていたが、送られている方は一点の曇りも無い笑顔のまま。

やがて、ルシは興味を失った様に、プイッとキスイから視線を逸らした。

自身は、キスイの言葉を聞かなかった事にし、お茶会の準備をすべく、台所へと向かった。
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