月影の剣
「飲み物…緑茶か麦茶かオレンジジュース位しか無いんですが…キスイは何がいいですか?」

「俺は牛乳がいい!」

キスイが答える前に、ルシが主張した。

「ルシには聞いてません」

(しかし、ルシってばどれだけカルシウムを摂る気なんだ…)

キスイはまた、クスクス笑いながら言った。

「紅茶とかコーヒーが無いのが月夜らしいね。じゃあ僕は…、そうだね、緑茶がいいな」


「じゃ緑茶、持って来ますね」

(自身も緑茶にしよう。ルシはミルク…っと)

茶葉を、お茶パックに入れてから急須に入れ、お湯を注ぐ。

蒸らしている間に、冷蔵庫から牛乳を出し、コップに入れる。

二人が待つ部屋に戻ると、何故か二人は互いに頬をつまみ合っていた。

「えーと?仲良しさん?」

「あぁ、月夜ひゃりがとう」

頬をルシにつままれたまま、キスイが礼を言う。

自身は、持ってきた飲み物をテーブルに置いた。

その間も、二人は相手の頬から手を離さない。

(何だか、仲間外れにされているみたいだ…)

「てぃ」

自身は、キスイをつまんでいるルシの腕に、チョップをした。

「うを」

「痛っ」

キスイはお返し、とばかりにルシの頬を千切るように離し、少し赤くなっていた自分の頬をさすった。
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