月影の剣
トイレに行く時と、昼食用のパンを買いに行く時は、ルシは肩から降りてくれたが(待っている時は自身の机で丸くなっていて、正体がアレにも関わらず、思わず可愛いと思った)、それ以外はずっと自身の肩に乗っていた。

授業中に騒いだりせず、思っていたよりは邪魔にならなかったが、気が散る事には変わりない。

今日は普段より、何度も教師に注意された。

しかしようやく拘束時間も終わり、人の目から解放され、ルシを問い詰める事が出来る。

「何故自身と共に居るのですか?どこか行く所は無いのですか?」

開口一番、一番気になっていた事を聞く。

「だって拾われたしな。拾ったヤツは最後まで責任持て。」

「は?」

「あー。お前の側、なんか居心地良いんだよ。行く所も待ってるヤツも居ないし、しばらく一緒に居ても良いだろ?」

猫のままのルシに、小首を傾げられ、ノックアウトされてしまった。

猫のルシは可愛くて、俺様口調でも憎めない。

結局、強く拒む事が出来ず、更に帰りに駅前により、ルシの服(と下着も!)を買わされたのだった。
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