【完】恋愛間違い注意報


私は、寝室へ向かった。
あの日の葵さんと同じように、此処に居た。
眠くないから、ベッドに座って外を見た。




「智沙ちゃん」



「おかえりなさい」



「ちょっとびっくりしちゃった」



「大丈夫だよ、私もう離れないし」



「え?」



「今度、葵さんに会ったらもう離れないって決めたの。だからもう大丈夫」


葵さんはクスクス笑って、嬉しそうにして、それで更に冗談をほのめかす。



「それって、拒否権ないの?」



「んー…と、多分ありますよ」


気持ちが無ければ仕方ないから。
でも、今ならわかるよ。
きっと、振り向いてくれるって。





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