【完】恋愛間違い注意報


そしたら、唇が重なった。
しかも、何度も。
ちょっと大人な、舌を絡める深いキスだったり、重ねるだけの幼いキスだったり。
私達みたいなのを、バカップルと言うのかもしれない。



「朝の挨拶だよ、これは」


顔を赤くした私に、楽しそうに言う。
毎朝こんなことしてたら、大変って呟いたらすかさず、葵は言った。





「毎日、ずっと朝の挨拶するんだよ?明日も1年後も…それから先も」



「知ってる」


意地を張って、そう言ってから私から唇を重ねた。
でも葵は嬉しそうにするだけで、何もかもわかってるんだよね。




「さ、不味いトースト食べる?」


葵の言葉にひとしきり笑った所で、トーストをかじる。
確かに、フランスで食べてた物と比べてしまえば美味しくない。
でも、これからもこのトーストがいい。
葵さえ、居るなら。




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