【完】恋愛間違い注意報
「此方、ただいま焼き上がりました、パンでございます。良かったらご賞味下さい」
「智沙のパンは美味しいから、みんな食べてみて」
何か、やだ。怖いよ。
「美味いじゃん、これ」
そう最初に声をあげたのは宏さんだった。
本当は優しくて不器用な人なんだなあ。
男性陣は美味い、美味いと言っていたが…あかりを除く女性陣は睨みを利かせ、それを投げ捨てたのだった。
醜い嫉妬の塊を持つ女性は醜く見えた。
「何するのよ!」
あかりは彼女達を睨み落ちたパンを拾い出した。
それでも誰一人、何も言わなかった。