【完】恋愛間違い注意報


「智沙?」


涙がバーッと流れて、でもそれを隠して何も言えなかった。
心臓は、激しく動くし、指先は意味もなく震える。
本当は、絵美と結婚してたはずなのに…私と結婚しよう、だなんて。
葵は、私をベッドに抱き上げて、私の顔を覗き込んだ。
そして、私が泣いてるのに気付いたら嬉しそうにニコニコしてた。




「智沙、俺と一緒になろ?俺は、智沙がいい」


涙が止まらなくて、苦笑いしてたら、葵がそっと拭ってくれた。




「わ、私も…葵と一緒がいいっ」


早口に言って、抱きついた。
恥ずかしいしドキドキした。
葵は頭を撫でて、ぎゅっと強く抱きしめた。




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