【完】恋愛間違い注意報
「あかり、止めて。もういいから」
「…でも…」
「庶民の味が分からない節穴だらけみたいだし。作った私が悪いの」
思いっ切り嫌味を言ってみた。
別に不味いって思うのは構わないけど、食べもしないで不味いって決めつけて欲しくない。
「何よ、アンタ!パパに言ってこれ作れないようにしてもいいんだからね!」
「どうぞ?」
一応私もお金持ちではある。
姉はいくつもの子会社をまとめるパンの木の社長だし、私もその家族だから。
まあ、姉も私も煌びやかな世界はわりに合わないけど。