【完】恋愛間違い注意報
それを聞いた葵さんは、酷く驚いた様子だったけど、すぐに口を開いた。
「俺も会いたかったよ」
「し…っ、知ってます」
声が泣いてうまく出ない。
でも気付いたって言ってあげたかった。
「え?」
葵さんは、また驚いて目を見開いてたから私は呟いた。
「電話…っ、寂しそ…だったから…そしたら…私もっ…寂しくな…て」
ようやく、そこまで言い切ると、もう言葉は出なかった。
あまりに、優しい甘い瞳が目の前にあったから。
「ありがとう、嬉しい。でも電話くれたら良かったのに。早く帰ってきたんだよ?寒かったでしょ?」
「さっき気付きました」
私達は笑い合った。
葵さんといると、こんなにも温かい気持ちになれるなんて知らなかった。