【完】恋愛間違い注意報
さようなら、愛しき親しき友よ
2人の後ろ姿を見送ってから会場を出た。
一歩外に出れば、さっきの華やかさは嘘のよう。
教会からほど近い場所にあるホテルを出れば目の前に広がるオーシャンビュー。
まるで、2人の門出を祝っているようだ。
ゆっくりと砂浜を降り、波打ち際まで歩く。
私の足跡だけが、ポツポツとある。
何だか、私だけ取り残されたみたいだなー。
ちょっと悲しい。
「店長ー」
私の足跡に重なって足跡が残された。
それは有砂の姿だった。
私が副店長だった頃に比べ、はるかに成長した。
今じゃあ看板メニューのクロワッサンまで作れる頼れる副店長。
そう、念願の就職を果たした彼女は、副店長に大抜擢された。
というか私が指名したんだけど。