斎宮物語

上様は、もう40を越えてしまったおじ様だけど。

温かい。

悠吾朗様の腕よりもがっちりとして、心地好い。

「斎宮……。」

上様が、私を離した。

「…上様?」

「そなたは生娘だと聞いておる。
わしは、やはりそなたを抱けぬ…。
出会ったばかりの男に抱かれるなど、酷であろう。
そなたが、真わしを慕うてくれるまで、わしは待つ。」


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