斎宮物語

重い足を引きずるように、そして、それを誰にも悟られないように、私はお古牟の方の部屋へと向かった。

「斎宮にございます。」

部屋に入る前に、そういう。

「待っておりましたえ。
さぁ、お入りくださりませ。」

「失礼いたします。」

部屋の中。

私はお古牟の方の正面に座った。

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