斎宮物語

私の中で、日に日に上様の存在が大きくなっていった。

豪華絢爛たる大奥であっても、どこか色あせて感じる。

この感情が、恋…なのでしょうか。

だとしたら、悠吾郎様に感じていた、あの感情は、なに?

私が、愛したはずのあの人。

あの人と上様に抱く感情の違いは、なに?

「…宮?」

上様が心配そうに私を覗き込む。

「いえ…。」

「…そうか。」


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