斎宮物語
「大奥と外を繋ぐ唯一のところにございます。
ここで働くゴサイ達が私達の代わりにお使いなどをするのです。
されど、私達とは身分が違います。
何より、上様のご側室の来られる所ではありませぬ。
顔を見られたら大変です。
さ。」
私はまた大奥の中へ。
それでも私ははっきりと見た。
ゴサイの中の一人…。
あれは、間違いなく悠吾郎様だ。
あんなに好きだった人の顔を間違えるわけがない。
でも…。
悠吾郎様。
何故、ゴサイに…?